ウッタル・プラデーシュ州立文書館(インド ラクナウ)

現在インドに住んでいるので、文書館のトリセツを書こうと思います。このエントリーを書いている時点で使わせてもらっている、ウッタル・プラデーシュ州立文書館(U.P. State Archives)についてのトリセツからはじめます。ラクナウまではどうにかたどり着いていることを前提に説明します。



正面の道路から見た建物の写真。空色の装飾が目印。


場所

U.P. State Archives,
B44 Mahanagar Extension, Lucknow.
Phone: +91-(0)522-2331813


開館時間
月〜土曜日:10:30〜16:30
日曜・祝日(Local holidays 含む):休館


行きかた
・オート/サイクル・リキシャで行く場合:
Kapoor Talah Chawrah に向かってもらう。文書館は十字路(Chawrah)から東に向かう道、数十メートルの場所にある。Hazrat Ganj からサイクル・リキシャで30〜60ルピーほど(値段に幅があるのは、わたしがサイクル・リキシャに乗るとき値切るのが苦手だからです)。オート・リキシャなら40〜50ルピーほど。(2009年3月現在)

・テンポ(乗り合いオート・リキシャ)で行く場合:
Charbagh(鉄道の駅のあるところ)から Kapoor Talah Chawrah に向かうテンポが出ているようですが、私は使ったことがありません。



事務手続き

A. 必要書類

  1. 大使館からの紹介状
  2. 指導教員からの紹介状(該当する場合)
  3. 所属を証明する書類
  4. インドの所属機関からの紹介状(該当する場合)
  5. パスポートのコピー(写真+ヴィザのページ)

B. 手続きの流れ

  1. グランド・フロアでブックに名前を記入(これは来たら毎日行なう)
  2. 1st フロアの Director の部屋を訪ねる
  3. Director に挨拶、自分の目的を述べ、必要書類を提出
  4. この際、パソコンの使用許可をもらう(特に書類等はなく口頭)
  5. Library セクションをも使う場合は、白い紙に申請レターを書いて提出(Director 宛て。内容は、自分の研究テーマの明示と、そのために図書館を使用させていただきたい旨を書く)

以上、とてもシンプルです。文書館のスタッフのかたがたは、ひじょうに親切なので手続きはサクサクと進みます。なお、エントリー・パスの発行などはなく、提出した書類のコピーを常時もっていたほうがよいというアドヴァイスをスタッフのかたから受けました。使用許可は1年間ですが、更新の際に新しい書類を再度用意するといったことは必要ないということです。(わたしはまだ経験がありません)。



お仕事のはじめかた

U.P.州立文書館は、アーカイヴズ・セクションとライブラリ・セクションにわかれています。まず、アーカイヴズ・セクションから説明します。


A. アーカイヴズ・セクション
このセクションでは、19世紀の植民地期以来の政府関係文書が保管されており、文書館の主要部となります。全体的な印象として、リストにある資料はリクエストするとほぼ確実に出してもらえるようです。また、1回のリクエストで4〜5点までという制限はあるものの、数分〜10分ほどで出してもらえるので、とても効率よく仕事がこなせます。


まず、文書そのものを手にする前に目を通したい文献として、次のものを紹介します。

  • S.N. Sinha ed. 1987. A Guide to the Records in the U.P. State Archives (Introductory). Lucknow: U.P. State Archives.


これは、小さな冊子ですが、この文書館の所蔵資料について簡潔にまとめられており、たいへん役にたちます。残念ながら絶版状態で、WebCat で検索をかけたところ日本の図書館にも所蔵はないようです。U.P.州立文書館で閲覧してください。仕事をはじめる前にまずこの文献を見せてもらえるよう、スタッフのかたにお願いするといいでしょう。


さて、いよいよ文書にアクセスする段になりますが、まずとりかかるのは「List of Lists」と題されたリストです。これを通覧して、自分のほしい「List」(政府のディパートメントごとに分類されており、それぞれ番号がふられている)をリクエストします。そして、個別のリストから読みたい文献を探し、リクエスト用紙に内容を記入して提出します。以上の流れは、スタッフのかたがたが親切に手ほどきしてくれますが、いちおう下に整理しておきます。

  1. Sinha の A Guide to the Records... を読んで資料の成り立ちをつかむ
  2. List of List から個別の List を選んでリクエス
  3. List から読みたい文献を指定してリクエス
  4. 10分ほどで個別の文献を手にできる


この文書館は、資料の分類が比較的シンプルにできているので、ひじょうに使いやすいと感じました。


B. ライブラリ・セクション
ライブラリ・セクションには、書籍とレポート類も入っているようです。まずは、ボックスに入ったカタログ・カードを繰ることからはじめますが、これがすべてではありません。ライブラリアンのかたに自分の関心を伝え、関係するカードを棚から出してもらう必要があります。文献の請求方法は、通常の閉架式の図書館と同様で、請求記号と書誌情報を指定してリクエストします。



食事処
文書館には付属のカフェテリア等はありません。スタッフのかたたちは、昼食はお弁当を持ってきています。かといって、ホテルやゲスト・ハウス住まいで通う場合はなかなかお弁当を用意するのは困難です。以下にいくつか、食べものを得られる場所を書いておきます。

  • 雑貨屋さん(文書館の門を出て左手数十メートルにある。お菓子や飲み物を入手できる)
  • Cafe Coffee Day (チェーンの喫茶店。門を出て右手の Kapoor Talah Chawrah をこえて直進すると道路の左手にみえる)

トイレについて
デリーのナショナル・アーカイヴズのように高級ホテルが近所にあるわけではないので、いやでも文書館のトイレを使うことになります。見たところ、男女共用のようで見た目も古い和式便器ですが、比較的清潔に保たれているほうだとは思います。トイレット・ペーパーや石鹸は当然のことながら(?)備え付けられていないので、自分で持参しましょう。もし忘れてしまった場合は、文書館を出て左手数十メートルの場所にある雑貨屋さんで購入することができます。